風蘭 | Furan

For the exhibition

美術館という非日常の空間に作品を展示することの意義やその持続可能性を問う表現。

 

一般的な書道作品は、美術館展示を前提とする場合にはパネル張りしたり軸装を施したりするが、そのサイズの大きさゆえ、展覧会後に作品が日の目を見ることは多くない。つまり非日常から日常に返ることができないのだ。場合によっては廃棄することもあるだろう。資源も時間も限りがあるなかで、そのような制作に私はエネルギーを注ぐ意義を見出し難い。かといって美術館の存在自体はむしろ新しい芸術を生み出す場所としても大変貴重なものであり、そこでしか出来ない展示というものがある。つまり、私が模索しているのは、そういった意味での美術館・制作者・鑑賞者の3者にとって意義ある持続可能な芸術作品の制作・展示の在り方なのである。